THE THREE THEATER「交番」

終わった途端に思わず拍手してしまった。コントをTVで見て拍手したのなんて初めてだよ。一緒に見ていた人も「す、すごい…」と呆然。構成がきれいという点では「クリスマス」に近いものがあるかもしれないが、断然こっちのほうが『コント』としての完成度が高いと思う。「クリスマス」はきれいすぎて逆に『コント』としてはどうかなーと感じてて、でもクリスマスという特別回としてファンタジー推しできましたというなら納得という感じだったので。しずるお得意の優勢と劣勢の形勢逆転っぷりがドラマチックですらあり、オチで一瞬狐につままれたような感覚に陥らせながら、最後の「パシッ」という膝を叩く音で今まで見てきた話が再構築されるときの鳥肌の立つ感覚といったら!言いすぎだなんて思ってないよ。
ネタ自体もさることながら、役柄もとてもよかったです。まず村上さん。女装が得意な芸人さんは何人かいますけども、比較的どの人も似たり寄ったりな所謂「コント用女役」のテンプレに陥ってしまう人が多い中で、村上さんは同じ女役をしていても役柄の幅が広いなーと感心します。特に今回の男遊び激しそうな派手な人妻は、持ち前のハスキーボイスと相まってとても嵌っていました。先日のやりすぎでM−1でお母様を拝見していたのでこんなにもリアルなのかしら…と思ったのは心に留めといたほうがよかったですねすみません。(謝罪)
池田さんもいつもながら完璧に、一見ただの愚直で情けない警官に見えて実は…という中年男性を演じきっていました。形勢逆転のシーンで眼鏡を外すところが(目じりのしわメイクを際立たせる意味でも)良く効いていました。
ほんと2人とも役柄を見事に演じきっていて、コントなのに(コントだからこそなのかも)設定が詳細で役に背景を感じさせるところがしずるの力量?なんてだだ褒めにもほどがありますかね。
ただエンディングトークでの池田さんの発言に関しては、冗談にしては冗談に見えないところがなんともフォローできない感じで苦笑。池田さんお得意の素直すぎるゆえの失言なんだろうか。しかし本当に村上さんの艶かしい身体(笑)を見て思わず出てしまったというあの発言がアドリブだったとしたら、あれだけ一つ一つの台詞が重要なコントをしときながら違和感なく組み込ませた池田さんにも、それを受けて自然にあのリアクションをした村上さんもすごいを通り越してちょっと怖いです。